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【世界史】メソポタミア文明その1 文明の発生 都市国家から領域国家へ

燦然(3000)と輝くオリエント文明

なんて語呂合わせで年号覚えた方も多いはず。その頃の歴史地図を紹介。

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最初に都市国家を建設したのはシュメール人。民族系統不明の謎の民族である。

シュメール人が建設した代表的な都市国家を3つ紹介しよう。

最大規模を誇ったウル、伝説の王ギルガメシュを輩出したウルク、そして伝説の楽園・エデンの原型となったとされている「グ・エディン」と呼ばれる地を巡って都市国家ウンマと争ったラガシュがあげられる。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f5/Zig_front_right_side.JPG?uselang=ja

File:Zig front right side.JPG - Wikimedia Commons

写真はウルの中心に建設された神殿である。メソポタミアで建設された巨大な神殿をジッグラトという。

しかし、彼らの都市国家は互いに争ってばかり。結局ひとつにまとまることはできなかった。

 

また、シュメール人は世界で初めて文字を発明した民族でもある。有名な楔形文字の発明者なのだ。

詳しくはWikipediaをご参照ください。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%94%E5%BD%A2%E6%96%87%E5%AD%97

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/0b/British_Museum_Room_10_cuneiform.jpg/321px-British_Museum_Room_10_cuneiform.jpg

File:British Museum Room 10 cuneiform.jpg - Wikimedia Commons

 

楔形文字は、粘土板がまだ乾かないうちに、ちょうど割りばしのように角のある、アシで作られた棒を押し付けて記述された。

 

2000年間読み続けられた、世界初のベストセラー

ここで、日本ではゲームの登場人物としてとても有名になった、伝説の王・ギルガメシュの伝説「ギルガメシュ叙事詩」を紹介したい。

 

 ギルガメシュは体の3分の2が神で3分の1が人間という、神と人間の混血として生まれたので、まさに超人的な能力を身に着けていた。その力を悪用し、彼はウルクの王として暴政を行って民を苦しめていた。

 これに耐えかねた人々は神に助けを求める。神はその声を聞き入れ、強い力を持った、エンキドゥという名の怪物をつくりだし、ギルガメシュと戦わせた。しかし二人の力は互角だったので、ついに決着はつかなかった。それで二人は互いに相手の力を認め、親友になるのだ。
 

 その後ギルガメシュは良い王となり、ウルクの町も栄えた。
 ギルガメシュとエンキドゥは二人助け合い、人々を襲うライオンを退治したり、森の守り神だったフンババという怪物を殺したりと大活躍する。
 それを見た女神・イシュタルはギルガメシュに結婚を申し込むが、ギルガメシュはあっさり断ってしまう。面目丸つぶれの女神は怒り狂い、しかえしに巨大で獰猛な天牛を地上に送りつけた。天牛は暴れまわり、地上は大いに荒らされてしまった。しかしギルガメシュとエンキドゥが天牛をやっつけてしまったので、女神は彼らに呪いをかける。これが原因で、エンキドゥは死んでしまうのだった。
 

 親友の死を目の当たりにしたギルガメシュ、神の力を宿した自分でさえ、いつかは死ぬのだと気づいてしまい、死を恐れるようになる。死を極端に恐れたギルガメシュ、永遠の命を求める旅に出るのだ。
 この世にはただ二人、永遠の命を持つ人間がいる。名をウトナピシュテムという。もう一人は彼の妻。ギルガメシュはその人に会って、どうすれば永遠の命を手に入れられるかを聞こうと決心する。
 旅の途中、サソリ人間が出てきたり、ちょっとでも水に触れると死んでしまうという、死の海を越えたりと、命がけの冒険をこなし、ついにウトナピシュテムのもとにたどり着く。そこで、彼がどうやって死なない体を手に入れたのかを教わった。


 ある日神々は、すべての人間を滅ぼそうと計画する(理由はナゾ)。しかし他の生き物もみんな巻き添えを食ってしまうので、一人の人間を選び、彼に巨大な方舟をつくらせ、すべての生物の種を集めさせ滅亡から守ろうと思った。そこで選ばれたのが、ウトナピシュテムだったのだ。
 そしてついに滅びの日がやってきた。地上は炎に包まれすべてが焼き払われたあと、大地震が襲いすべてがなぎ倒された。そして最後に大洪水が襲い、地上のすべてが飲み込まれてしまった。
 こうして一度、人類は滅亡するのである。


 大災害から7日目、やっと大洪水はおさまり、天から日が差し始めた。(旧約聖書にある、「ノアの方舟伝説」の原型である)
 すると神々の中から「いくらなんでも、これじゃあやりすぎでしょ」という声が上がったので、おわびとして、生き残ったただウトナピシュテムと妻に永遠の命を授けたのだった。
 要するに、ギルガメシュが永遠の命を手に入れるのは無理なのだと説得したのだ。
 しかしあんまりギルガメシュがなげくので、飲めば若返れる薬草があるからそれ持って帰りなさいと教えてあげた。しかしその薬草は海の底に生えているという。

 ギルガメシュは自分の足に重い石を結びつけ、海底中を探してついに薬草を手に入れた。
 

 ウルクに持って帰って来る途中、この薬草を飲めば本当に若返るのか疑ったギルガメシュ、誰か老人に飲ませ、人体実験してから、自分も飲んでみようと思う。

 ウルクを目前にしたところで、自分の体が泥だらけなのに気づき、帰る前に水浴びすることにした。

 しかし、気持ちよく水浴びしているすきに薬草をヘビに食べられてしまう。結局ギルガメシュは最後の最後で若返ることすらできなかったのである。
 ちなみに薬草を食べたヘビのほうは、脱皮を繰り返すことで若返り、永遠に生きられるようになったという。

 

以上、ギルガメシュ叙事詩をかいつまんで紹介してみた。

神の力を宿した最強の王でさえ、結局は本来の目的のみならず、やっと手に入れたチャンスまで失ってしまうのだ。

「すべての努力が報われるわけではない、人生とは理不尽なものである。」

ギルガメシュは、いやメソポタミア文明は、そう僕らに告げているように思えてならない。

 

領域国家の成立

シュメール人が互いに首を絞めあっている間に、周辺の民族はシュメールの先進技術を学んで力をつけていった。

そしてメソポタミア中流域にいたアッカドが急速に勢力を拡大した。

前24世紀、アッカド人の王サルゴン1世がティグリス・ユーフラテス川の流域をほぼすべて支配下に置いた。

ついにアッカド人は領域国家の建設を成し遂げたのだ。

領域国家とは、支配者のつくったルールがその支配者の住んでいる都市周辺だけでなく、その他の都市も含んだ広範囲な地域を支配する国家のことをいう。かなり現代の「国家」に近づいてきた。

 

アッカド人の支配は200年ほど続いた。しかしその後はまた混乱の戦国時代に戻ってしまった。

「誰が王で、誰が王でなかったか。」楔形文字で書かれた粘土板には、当時がこのように例えられているという。

 

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