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【糖尿病】初めての通院 その1

糖尿病である。

きっかけは毎年の定期健診だった。3年ほど、毎回イエローカードを出され、そして4年目、ついに「ただちに病院で検査してください」と言い渡された。

2学期が始まってすぐのころだったと記憶している。

さすがに焦り、保健室の先生によさそうな病院を紹介してもらった。

新宿区にある大きな大学の附属病院である。さっそく電話を入れ、診察を受けることにした。

何回行っても、病院の雰囲気にはなじめない。特にあの消毒液のにおいが、否応なく意欲を削いでくれる。

待合室にいらっしゃる患者様方、ほとんどが相当にお年を召してらっしゃる。それはそうだ、加齢を重ねるごとに、発症率の上がっていく病気なのだから。

当時まだ二十代後半だったわたくし。何人かのお年寄りが、なんとも気の毒そうな目で俺を見ている。

目が合ってしまうのが嫌で、なんとなくキョロキョロしていると、少し離れたところに制服姿の女子が、母親らしき人物とともに座っていた。

遺伝性の「若年性糖尿病」だろう。いつからこの病院に通っているのだろうか。

なぜだか後ろめたい気持ちになり、うつむき加減に視線をずらすと、廊下の向こうから車いすに乗せられたお年寄りが、看護師さんに押されてやってきた。

俺の視線には、まずその老人の足元が映される。

右足がない。根元からなかった。

思わず老人の顔を見ると、大きな銀色の眼帯が左目を覆っている。

体中から何本も透明な管が出ていて、液体の入った袋につながっている。

そうか、糖尿病が悪化すると、足とか眼球とか失うのか。

目の前に突き付けられた現実。

 

すぐにでも診察してもらい、とっとと逃げ出したい気持ちではあるが、残念ながら、病院とは待たされるところなのだ。

何か暇をつぶせるもの、絶対に持っていくべきである。

 

というわけで宣伝。

自分はおおむね読書するか寝るかして暇をつぶすけど、そもそも飽きっぽい性格なので、2時間以上待たされたりすると読書も睡眠にも飽きてしまう。

そんな時、手の中でカチャカチャできるおもちゃとか、現実逃避できる何かがあると便利かと。

カチャカチャ・・・知恵の輪?

 

はまってしまうと、いらいらしながらも永遠にやり続けてしまう知恵の輪。

あんまり夢中になると、名前呼ばれても気が付かないかも。

音楽を聴いているのも暇つぶしには有効かもしれないが、いかんせん、呼ばれたときに気が付きにくいのではないだろうか。

非常に大きなリスクである。 

 

 

もうどれくらい待たされただろう。ついに名前が呼ばれた。

この話は次回に続く。

 

 

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